春の七草として有名な はこべ(はこべら)
瑞々しく、柔らかい食感で美味しい雑草ですが、 その柔らかさの中に、硬さを併せ持つ?!
ハコベ
科・属 | ナデシコ科・ハコベ属 |
別名 | ハコベラ |
英名 | Stellaria |
世界に約120種、日本に約18種 | |
開花期 | 4〜8月 |
ハコベの楽しみ方
七草粥

みなさんがよくご存知の春の七草、「せりなずな 御形はこべら 仏の座 すずなすずしろ」を使った七草粥です。
その中でもハコベは「繁栄がはびこる」として、縁起のよい植物とされています。
中国では古くから薬草として使われており、効能は利尿作用・止血作用・鎮痛作用などがあります。
ハコベ塩

昔は歯磨き粉として使われていたハコベ塩。
ハコベに含まれるサポニンという成分が少し泡立つことと、塩の成分で歯茎が引き締まるため、歯肉炎予防にも。
天ぷらにつけるお塩にもなりますので、抹茶塩のような感覚で使ってみてもいいかもしれません。
花が増えるマジック

10枚の花びらを付けているように見えませんか?
実はハコベ、5枚の花びらでできているんですが、1枚1枚がハート形になっているんですね。

それにより、5枚の花びらが、2倍の10枚の花びらに見える、というマジックなんです。
植物が花を咲かせるのは、花粉を運んでくれる虫に気づいてもらうためです。
ハコベはたくさんの花を咲かせたように見せることで、虫にアピールしているわけです。

ハコベ、小さくて可愛い花なんですが、この小さい花なりによく考えられてるなぁと感心しますね。
むだ毛?いえ、重要な毛

ハコベの茎の片側に細かい毛がたくさんついているのですが、これはむだ毛ではなく、ハコベにとって、すごく重要な毛です。
春に綺麗な花を咲かせるために、冬をじっと生きるハコベ
冬は雨が少なく、水を手に入れるために必死なハコベは体についた水滴を細かい毛で根元に運ぶわけです
そのおかげで、冬でも瑞々しく保てるんですね
踏まれたい種の戦略

種には、表面に突起があります。
この突起によって、靴や、動物の足の裏にひっついて遠くへ運ばれるのです。
よく服に引っ付く、植物の種をひっつき虫なんて表現することもありますが、これは非常に気付かれにくいひっつき虫です。
雑草は近くで個体を増やすことも重要ですが、いかに遠くまで自分の遺伝子を運ぶかも重要です。
そのために人間を利用するわけですね。
スジが通ったハコベ

ハコベは葉も茎も非常に柔らかい雑草です。
踏まれたい雑草であるハコベですが、柔らかいだけでは踏まれたらちぎれてしまいます。

そこで、ハコベをそっとちぎってみてください。
葉をちぎると筋があるんですね。
柔らかい葉と茎、そして硬い筋を併せ持つことにより、踏まれることに非常に強いわけです。
これらの生存戦略が、ハコベを世界中に蔓延らせている理由なのです。
人生に置き換える
柔軟な発想と踏まれても受け流す力
その中に、ひとつ曲げられない芯を持つ
踏まれて起き上がるのでは、まだまだ雑草力が足りません。
嫌なことを言われたら、聞き流す力、でも自分の芯をしっかり持って、生きていきましょう。
雑草の生き方に関する参考図書の紹介
ではまた!
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