皆さんは「雑草」という言葉を知っていますか?
その「雑草」にあたる植物はなんなのか考えたことがありますか?
本日は「雑草」とはどんな植物を指すのかについて解説していきます。
動画でも解説していますので、良ければこちらもお聞きください。
どんな植物が雑草?
この植物はご存知ですか?


これはタンポポでしょ!
え?タンポポは雑草なの?
では、タンポポは有名だから「雑草」ではないのでしょうか。
道端には花の大小に関わらず綺麗な花が咲いています。
例えばこの雑草


なんか見たことあるような?
これはハコベという雑草です。
春の七草に数えられる雑草ですが、ハート形の花が5枚くっついており、とても可愛らしいお花です。
ではこの雑草はどうでしょうか。


四葉のクローバーだ!

写真は三葉だけど、シロツメクサだね!
シロツメクサも立派な雑草です。

写真を見れば見るほど何が「雑草」か分からなくなってきたよ〜。
大抵の人は「雑草」を道端に生えている草としか認識していないのかもしれませんね。
雑草の定義
実は学者の中で色んな意見があり、正式な定義は未だなされていません。

それだけ定義が難しいんです。
雑草学を専攻していたわたしの教科書であります『雑草学総論』によると、雑草は二つの視点から定義されています。
望まれないところに生える植物、作物生産等の人間の活動を妨害する植物
「望まれない」「人間の活動を妨害」
つまり、人間側の意識や価値判断です。

人間がどう思うかで、その植物が野草にも、雑草にもなります。
すごく面白いですよね。
人間の活動によって大きく変形された土地に自然に発生、生育する植物、また人間の積極的な保護を必要としない
「自然に発生、生育する植物、また人間の積極的な保護を必要としない」
つまり雑草性がキーになってきます。

雑草性ってなんだろう?
畑で育つトマトをイメージしてください。

種を蒔いて水やりをし、倒れないように支柱をたてて、と人間がこれでもかと手をかけています。

しかし道端に咲くタンポポはどうでしょうか。人間が保護せずとも凛と咲いていますね。

これこそが雑草性が高いということです。
そしてこれもまた人間という言葉がでてきました。
雑草の定義をまとめると
このような雑草性を持った植物が人間の活動を何らかの形で妨害するとき、その植物が雑草と呼ばれる
伊藤操子『雑草学総論』(養賢堂、1993年)

つまり人間が育てずとも成長し、それが人間の邪魔になったら雑草というわけですね。

結局「人間」の価値判断なんだね
昭和天皇のお言葉
昭和天皇はこんなお言葉も残されています。
雑草という草はない。 どんな植物でもみな名前があって、それぞれ自分の好きな場所で生を営んでいる。 人間の一方的な考え方で、これを雑草として決め付けてしまうのはいけない。
昭和天皇

学術的にも「雑草」の定義が未だなされていないため、「雑草」というのはかなり曖昧な表現なのです。
雑草のんびりライフが考える雑草の定義
これらを踏まえて、
あなたが雑草だと思ったら雑草
と定義します。

わたしは雑草評論家と名乗っていますが、もちろん雑草の名前や特徴を理解し、愛情をもって雑草と呼んでいますので、ご了承ください。
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